[留め書]
愛媛県南予は虫が増えています !!


平成20年の夏は、例年以上に毛虫による皮膚炎(毒蛾皮膚炎)が見られます。いつもの年ですと、毒蛾皮膚炎は大発生すると、その後しばらくは小休止がみられ、年間で4〜5回の流行期間を見るのが普通です。それが今年は、4月に最初の患者さんが来られてから、ずっと絶えません。もちろん最近は多数の毒蛾皮膚炎患者さんが連日みえられます。では、毒蛾皮膚炎とはどんな病気なのでしょうか。

南予地方ではほぼ全例チャドクガ
によるものと考えられます。なぜかというと、毛虫を確認できた患者さん全員がチャドクガを指差します。この毛虫の毛の一本がフラフラと飛んできて、襟元や袖口に入るとさあ大変。皮膚の上で、数十の小さな毛に分かれて、何十個という小さなブツブツを引き起こします。かゆみもひどいもので、眠れないこともよくあります。

毛虫は山や庭ばかりでなく、街路樹にもいます。桜並木にもいます。南予で絶対に毒蛾皮膚炎にならない方法というのはありません。毛虫を見たら逃げたほうが無難です。憎たらしいと思って踏みつけると、毛が舞い上がります。また、この毛虫の毒に反応しない人もいます。刺されてもなんともないのです。一緒にいた人は何ともないのに患者さん一人だけがなっている。なぜなったのかも分からずに不安な気持ちで来院されますが、毛虫の話を聞かれると納得されます。

 

もうひとつ増えた毒虫が、アオバアリガタハネカクシです。この虫は体長約7oのオレンジ色の虫です。潰してしまうと、その体液が皮膚炎を引き起こします。ヤケドと言ったほうが良いかもしれません。痛く、中央部の皮膚は白くなり、壊死に陥っています。虫をつぶす時、線のようなかぶれになってしまうことが多いので、線状皮膚炎と呼んでいます。患者さん自身は虫を潰した事を覚えていることはまれです。なぜなったのか全く気がつかずにびっくりされて来診されます。

 

これらの虫が増えたのは、やはり温暖化のためなのでしょうか。そうだとしたら、温暖化で病気まで変わってきているのですね。

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                                        2008年7月